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ドラマ

【VIVANT】7話ネタバレ!急展開『乃木が人生を取り戻す旅』の物語

TBS日曜劇場【VIVANT】7話、毎回衝撃展開が続きましたが、今回はどんな深読み考察にも予想できなかった結末が…!

その存在が6話ラストで明らかになった『別班』メンバーにも最悪の結果が出てしまいました…。

暴走し始めた乃木憂助(堺雅人)

全てを振り捨てて日本を発った彼の決意。

そして彼の正体を見極めつつもバルカに同行し、チンギスとともに乃木を追い始めた野崎(阿部寛)ドラム(富栄ドラム)の動向も気になります。

乃木を突き動かしている思いとは一体何なのか?

7話の1時間で表された乃木憂助というひとりの男の凄まじいばかりの多面性…今の彼の心情を考察してみましょう。

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別班メンバーについて

6話で櫻井司令・乃木・黒須以外のメンバーが明らかになりました。

  • 高田明敏(市川笑三郎):経済産業省資源エネルギー庁の官僚
  • 和田貢(平山祐介):アイチ自動車ロシア支社の営業職
  • 廣瀬瑞稀(珠城りょう):医療システム機器メーカー・レイシルのシステムエンジニア
  • 熊谷一輝(西山潤):万俵製作所の航空機向け電子機器開発のエンジニア

歌舞伎・宝塚そして日曜劇場経験者という豪華なラインナップで、物語後半がずいぶん賑やかになる、と思われましたが。

まさか、乃木の手によって撃たれてしまうとは!

黒須駿(松坂桃李)は乃木とともにノコル(二宮和也)らによって連れ去られ、8話予告には4つの棺が航空機に運び込まれようとする動画が流れました

しかし、3話予告には熊谷一輝(西山潤)が病衣でたたずんでいるカットが残されています。

すると熊谷は生存しているのか、もしかしたら彼以外の三人もその可能性が?!

そして、もしもこうしたかたちで『殉職』した場合、彼らの名誉はどう守られるのか…。

いろいろな含みを持たせています。

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乃木の”歪み”と”渇望”

古民家は監督と美術スタッフ渾身のセット

乃木が暮らしている家は東京都千代田区外神田(履歴書の住所は架空)の神田明神に近い住宅街にある古民家という設定です。

実際に、神田明神の付近にはバブル期の地上げにも耐えて残された希少な古民家がわずかながらに残されています。

乃木はそこに一人で暮らしていました。

今どきの商社マンとは思えない暮らしぶりです。

彼が追及していたのは古き良き日本の『丁寧な暮らし』でした。

 

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そして驚くことに、庭付き戸建てのこの日本家屋は美術部が監督の希望を汲んで作り上げたセットでした。

床の間や、台所の白いタイルの洗い場、そして天井や縁側の作りまで、ごく自然に『本物の古民家』に見える素晴らしい佇まいです。

そんな中にもエアコンやネット環境は整えられていましたが、食事は丸いちゃぶ台、パソコンの作業も座卓という徹底ぶりです。

来訪者のおもてなしには抹茶を点て、めちゃめちゃ手間のかかるお赤飯も野崎におそわってせいろで蒸して作るほどのこだわりよう。

その生活は『丁寧な暮らし』をテーマにしたブロガーさんの暮らしぶりをみているかのようです。

恐らく、その延長上で、乃木がくつろぐときには着流しのウールの着物や浴衣で、恐らくジャージやスウェットは着ないんだろうな、という人物像まで透けて見えるようです。

趣味を超えた料理と、台所へのこだわり

最初に乃木から「”とらや”のお赤飯!」という言葉が出たときには、まだ彼の幼少期のことが判明しておらず、そういう老舗の贅沢なお赤飯を食べられるような名家に育ったのかと思われましたが。

実は真逆の過酷で孤独な子供時代を過ごし、自らアメリカに活路を見出していた乃木。

家族の概念誰かを愛し、誰かに愛されるということが解らない彼は、その代わりとして日本を守るという志を掴み、帰国後に自衛官となり、別班のメンバーとして世界各国を飛び回る多忙な20年を過ごしています。

7話でお赤飯を炊いているシーン、そして翌日の目玉焼きを薫(二階堂ふみ)と二人で作っているシーンで、乃木がこだわっていた生活の片鱗が台所のあちこちに見られました。

小さなテーブルにはポットとお盆の上にある沢山のみかん

棚の上には寿司桶や複数の雪平鍋じょうご

包丁立てこそ今どきの使いやすそうなものでしたが、それ以外はまるで昭和期の『田舎のおばあちゃんの家の台所』を教科書にしたかのような空間でした。

まるで、一つ一つをかっぱ橋の道具街や骨董品のお店で選び抜いてあつらえてきたかのような品々です。

そもそも、独身男性の一人暮らしの家にせいろ蒸し布といったアイテムがあって、色や食感を追求してお赤飯を炊く練習をしていたというこだわりも凄い…!

いずれも、ルーツを一度見失った乃木がそうしたものを自ら再構築していこうとするような渇望が感じられました。

しかし、恐らく他者を寄せ付けずに淡々と暮らしていただろう乃木が、様々な料理を作ったとしても。

それを一人でぽつんと食べていたのだとしたら、その孤独がより一層感じられて切なくなる…。

そこまで考察してこの台所が作りこまれているのだとしたら、福澤監督は鬼だなと感じました。

とらやのお赤飯の意味

作中でわざわざ『とらや』とブランド名が出たお赤飯。

何かそこに意味があるのかと調べてみたらちょっと意外なことが判明しました。

とらやは乃木家のモデル、ロケ地となった櫻井家にご縁があったこと、そして奥出雲の肥沃な土壌で作られる米は美味しくて、上質なもち米で炊いたお赤飯は絶品だそうです。

そういう意味で、乃木にとって『とらやのお赤飯』はお手本にすべきソウルフードになったのでは…?

そうであれば、乃木が味を追い求めて練習するほど好きになる意味も解ります。

『抱きしめる』という行為

ジャミーンはごく自然に乃木に両手を広げて「抱っこ!」というような表情を見せます。

乃木は、その無邪気さに誘われて彼女をそっと抱きしめます。

そんなハグが繰り返されたからか、ぎこちなさはあるものの、乃木はジャミーンの意識が戻った喜びに思わず薫を抱きしめました。

それが二人の関係の突破口になったのかもしれません。

そうして7話で、乃木と薫はようやくお互いに想いあっていることが伝わりました。

台所での、静謐な二人のやりとり…キスのあとで顔をくしゃくしゃにして泣きそうになるのを懸命にこらえていた乃木。

それが彼にとって『初めて』で…乃木は不惑を超えた今に至るまで、誰ともそうして心を通わせることもなく生きてきたのだということがずしりと伝わってきました。

高校時代以来のサムという親友はいましたが。

恐らく異性にそうして触れたことはなかったのでしょう。

なんという孤独。

だから、翌朝ふたりで目玉焼きをつくり、明るい茶の間で食事をしている様子は一見朗らかに見えましたが…。

この時、彼はもう二度とこの場に戻ってくることはないのだろうな、という予感がじわじわとその表情に滲んでいました。

ようやく『守りたい人』と巡り合えたというのに。

それ以上に乃木を突き動かしているものが確かにありました。

全てを振り捨ててでも『父、ノゴーン・ベキに会いたい』という強烈な願望…まさにそれこそが壊れてしまった乃木の心の歪みなのです。

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鶏群の一鶴、眼光紙背に徹す

バルカに渡る航空機で隣り合わせた乃木と野崎。

ああ、もう正体はバレているのだろうなと乃木は悟っていたはずですが、そんな彼に野崎はかつて共に働いていた後輩のエージェントの話をしました。

北京の日本大使館のリエゾン(連絡要員)だった野崎とともに働いていたその後輩は、恐らく任務に失敗して消されてしまったのでしょう。

その後輩が乃木と似ていたのだと野崎が言いました。

「急に居なくなるってのは…無性に寂しいもんだぞ…全部終わったら、ちゃんと先生のところに戻ってやれよ」

その言葉はこれから乃木が何をするかを見通しているかのようでした。

機内が寝静まった薄闇の中で、乃木はそっと野崎の手に触れて言いました。

「あなたは『鶏群の一鶴』…眼光紙背に徹す」

『鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)』とは「鶏の群れのなかに一羽だけ鶴がいる様子、多くの凡人の中に一人だけ際立った優れた人がいること」を表しています。

『眼光紙背に徹す(がんこうしはいにてっす)』とは、書物を読んだときに、その文字や言葉を解釈するだけでなく、その紙の裏側にあるような深い意味までも掴みとること、注意力や理解力が鋭い様子を表しています。

乃木は、野崎がそういう他に類を見ない優れた人物であると言い残して別れていきました。

これから乃木が何某かことを起こしても、その裏にある乃木の真意に気付いて欲しい、という素直な気持ちの表れだったのではないでしょうか。

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まとめ

TBSのドラマプロデューサー・飯田和孝さんは『半沢直樹』『陸王』『ドラゴン桜2』『マイファミリー』を担当し、知り尽くしたキャストさんで福澤監督の緻密な物語を作っています。

そして昨日の段階でまだロケを行っている模様です。

『私たちが書きたかった、本当のVIVANT』って一体何でしょう?!

乃木がバルカに渡る飛行機の中で一瞬見えた海岸線の情景や、ロシアの現場に残した薫とジャミーンの写真は、もう二度と日本には戻らないという彼の決意の表れです。

仲間を撃ち、黒須を巻き込んで飛び込んだ”テント”…自ら崖っぷちに立った乃木の表情は追い詰められた子供のようです

ようやく叶うかに見えた父と息子の再会は、乃木のこれからにどんな影響を残すのか。

『VIVANT』が失ったものを探し求める冒険譚なのだとしたら、せめて乃木の将来が幸せなものでありますように、と祈らずにはいられません。

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