『VIVANT』5話、乃木憂助(堺雅人)の壮絶な過去が明らかになりました。
彼が陸上自衛隊の超エリート集団『別班』の一員だということは4話で判明しており、これまでに断片的に描かれてきた子供時代や両親の姿が次第に詳らかにされたのです。
乃木の経歴に現れた丹後隼人(タンゴハヤト)の名前の意味、そして島根にあった乃木家のルーツなどが描かれ…とうとう公安警察の野崎(阿部寛)にその正体が露見してしまいます。
こちらでは乃木憂助の過去と明らかになった経歴、そして謎に満ちた彼の父親・乃木卓(林遣都)についてまとめます。
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乃木憂助の履歴書
今回、野崎と警視庁公安部 外事第4課がまとめた乃木憂助の経歴が注目されました。
- 生年月日:1981年1月25日(作中で2023年2~3月であれば、現在42歳)
- 現住所:東京都千代田区外神田10-5-4
(実際には外神田は6丁目までなので、架空の住所です)
父:乃木卓(1955年8月15日生まれ、本籍地:島根県奥出雲町)(林遣都)
母:乃木明美(1957年10月31日生まれ、本籍地:東京都小金井市)(高梨臨)
乃木憂助の学歴
- 1999年6月 フロリダ州Rongaly High School 卒業
- 1999年9月 コロンビア大学 教養学部 経済学科 入学
- 2003年5月 コロンビア大学 経教養部 経済学科 卒業
※アメリカの大学は5~6月に卒業し、日本の大学は4月入学のため、約10か月の空白が生じます
- 2004年4月 東京大学 大学院 経済学研究科 経済専攻修士課程 入学
- 2006年3月 東京大学 大学院 経済学研究科 経済専攻修士課程 修了
乃木憂助の職歴
- 2006年4月 丸菱商事 入社
- 2006年6月 輸送機・船舶事業部 配属
- 2010年4月 電力インフラ本部
- 2015年10月 ジャカルタ支店
- 2017年4月 丸菱ソーラーシステムズ 出向
- 2019年10月 エネルギー開発事業部 第二課 課長補佐
- 2021年4月~現在 エネルギー開発事業部 第二課 課長
乃木憂助の本当の経歴は?
在籍と卒業の記録が残っていたコロンビア大学入学以降に関しては『乃木憂助』の経歴はこのとおりでしたが、野崎が注目したのはフロリダ州にある公立高校のRongaly High Schoolでした。
部下の鈴木が問い合わせをしたところ、その学校の名簿には乃木憂助の名前は見当たらず、野崎はFBIに在籍する友人のロバート・キースを頼り、調査を依頼しました。
その結果、同じ”Rongaly”の名前を持つ私立高校のミリタリースクールに、同時期に日本人のタンゴハヤト(丹後隼人)という留学生が在籍していたことを突き止めます。
そのRongaly Military High Schoolは相当に優秀な学生の留学しか受け入れないうえに、そのタンゴハヤトの成績はオールA+という記録が残っていました。
その履修科目には学術・馬術・格闘技・サイバーセキュリティ…そして爆薬の調合といった専門性の高いカリキュラムまでが並んでします。
野崎のもとに送られてきた当時のタンゴハヤトの写真は18歳の少年でしたが、そのまなざしは今の乃木に通じるものがあり、野崎はタンゴハヤトが乃木憂助であると確信したのです。
そういえば、一話に登場した乃木の高校時代からの親友であるサム(Martin Starr)…彼もこのミリタリースクール出身であれば、CIAの優秀なオフィサーになったという経歴にも納得です。
タンゴハヤト(丹後隼人)の過去
野崎はタンゴハヤト(丹後隼人)の名前を手掛かりに、その過去を探りました。
その結果、丹後隼人が京都府舞鶴市で育ったことを突き止めたのです。
当時のことを知る教員から、丹後隼人が養護施設『丹後つばさ園』にいたと聞き、その当時から働いていた職員の木村(宮田圭子)に直接話を聞くことができたのです。
木村が語る丹後隼人=乃木憂助の子供時代は壮絶なものでした。
両親との死別と人身売買
乃木憂助は自分の名前も両親のことも殆ど覚えていない子供でした。
1~2話の回想シーンにあったように、中央アジアの平原でゲリラに襲撃されて両親と引き離された乃木は人身売買され、日本人の戦場ジャーナリストに発見されたときにはバルカで物乞いをさせられていたのです。
当時、バルカはまだ政情不安な時代で、乃木の両親である卓と明美は3歳の憂助とともに家族三人で行方不明となり、最終的には亡くなったと考えられていました。
戦場ジャーナリストによってそんな過酷な環境から救い出された少年はロシアのウラジオストックを経由して京都府の舞鶴市に船で帰国し、警察や行政の保護を受けて『丹後隼人』と名付けられ、舞鶴市内で育つことになりました。
丹後隼人の経歴
- 1987年4月 京都府舞鶴市立 東舞鶴小学校 入学
- 1993年3月 京都府舞鶴市立 東舞鶴小学校 卒業
- 1993年4月 京都府舞鶴市立 丸山中学校 入学
- 1996年3月 京都府舞鶴市立 丸山中学校 卒業
木村が語る丹後隼人はとても優秀な子供でしたが、時折独り言を言ってからかわれていたと言っていました。
そして自分で公費の留学制度を調べ、高校入学の時点で渡米したのです。
丹後隼人から『乃木憂助』へ
高校(Rongaly Military High School)在学中にパスポートの手続きで一時帰国した丹後隼人は、丹後つばさ園のテレビで島根県の『たたら製鉄』のリポート番組を見て、乃木家の存在を知りました。
そこに、記憶の中にあったはずの何かが刺激されたようです。
すぐに乃木家を訪ねた隼人を迎えたのは乃木卓の兄である寛道(井上順)です。
彼は隼人の話を聞き、90年代後半に使われ始めていたDNA鑑定によって隼人が乃木家の親族であると認め、バルカで亡くなったとされる卓と明美の息子・憂助であるとして本来の名前に戻すことになったのです。
以来、季節ごとの挨拶程度の付き合いが続いていた寛道と憂助。
最後に島根を訪れたのは3年前。
寛道は野崎にその経緯を語りました。
『乃木家』とは?
憂助=隼人が見ていたテレビのドキュメンタリーでは島根に残された『たたら製鉄』を取り上げていました。
島根県東部の出雲地方に1400年ほど前から伝わっていた『たたら製鉄』。
良質な砂鉄を含む真砂土を産出し、製鉄に必要な木炭が潤沢に調達できる豊かな森林もあって、連綿と伝えられてきた古来からの製鉄技術を守る家が現在でも残っています。
実際にそうした一族である櫻井家の屋敷が今回乃木家としてロケ地になっています。
また、この櫻井家の始祖は大阪夏の陣で討ち死にした戦国武将・塙団右衛門で、嫡男の直胤が母方の姓である『櫻井』を名乗り始めた、とあります。
乃木家はそんな『たたら製鉄』を守り伝えてきた一族の末裔、出雲でも有数の名家でした。
憂助の両親の結婚式は出雲大社で盛大に行われ、父が黒紋付、母が白無垢で幸せそうに微笑む写真が残されていました。
野崎が島根の乃木家を訪ねて行った際に応対したのは、隼人=憂助を受け入れた叔父の乃木寛道です。
広大な屋敷を守っていた寛道から、野崎は意外な話を聞くことになったのです。
乃木憂助の父・乃木卓(すぐる)の現在
乃木憂助の両親、乃木卓・明美夫妻は幼い憂助を連れてバルカに渡りました。
それまで、卓は警視庁の警察官で、退職して農業使節団として渡航したのです。
そして憂助が二~三歳(1984年)頃にまだ政情不安だったバルカで何らかのトラブルに巻き込まれて亡くなったと考えられていました。
乃木の回想では両親と逃げ惑う風景や、両親から引き離されたこと、追いかけようとした母の明美が撃たれて倒れた様子が克明に描かれていたのです。
前述の通り、憂助は武装集団によって攫われて人身売買組織に売り飛ばされ、虐待によって心身ともにダメージを追った状態で単身帰国するという辛酸を舐めています。
そして成長した乃木は自らのルーツを探るように別班に入り、テントを探っていたのです。
乃木がアリに見せた写真に写っていた『テントのリーダー』はノゴーン・ベキ。
しかし、それは亡父・乃木卓の若い頃の写真をシミュレーションで40年後を予測した顔だったのです。
そして乃木と父とテントを結び付けていたのは、乃木家の家紋でした。
死んだはずの父が生きていて、テロリスト集団のリーダーだったことが証明されてしまった乃木。
呆然とするなかで、彼は父を自ら探し出すことを決意したのです。
乃木明美は本当に亡くなったのか?
乃木がアリ(山中崇)に卓の写真を見せたときに、隣で映っていた明美を見て「ノゴーン・ベキの亡くなった妻」と言いました。
ノゴーン・ベキの部屋に、彼女の写真があったのだというのです。
本当に、明美はバルカで約40年前に亡くなっていたのでしょうか?
そこで気になる人物がいます。
別班の司令として登場した櫻井里美(キムラ緑子)です。
公式サイトのキャスト一覧でノゴーン・ベキ(卓)のすぐ下に表示されている櫻井司令。
その左側には卓の兄・乃木寛道が並んでいます。
そして『櫻井』という名前。
今回乃木家の屋敷としてロケに使用されているたたら製鉄を伝えてきた家の名前が『櫻井家』です。
そこに、櫻井司令が出雲地方やたたら製鉄に何らかのルーツがある人物であるという隠喩がこめられていたとしたら…?
もしかしたら、乃木の母・明美が生存しており、卓と袂を分かって日本に帰国し、卓の陰謀を阻止すべく別班として活動していたのだとしたら…?!
そんなことを妄想してしまいました。
まとめ
『そんな人でも僕の父親だ!』という乃木の悲痛な叫び。
ベキ=卓の最後の狙いが日本であることから、父を探すこととテロを未然に防ぐことは乃木の中で同義となっていくのでしょう。
そこに、公安の野崎らが参戦し、ここから先は別班/テント/公安の命がけの三つ巴の戦いに発展していくことが予想されます。
何故、警察官だった卓がテロリストとなったのか。
物語は折り返し地点に差し掛かり、40年間隔てられてきた乃木家の家族の時間が動き出したのかもしれません。
乃木憂助の人生を巡る旅の着地点がどこなのか。
後半に残された五話でしっかりと見つめていきましょう。
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