親から引き離されて奴隷として売り飛ばされたという幼い頃の壮絶な体験から、人として何かが欠落したまま大人になっていった乃木憂助(堺雅人)。
そんな彼にずっと寄り添うように存在してきた”F”のこと。
そして生き別れた父・乃木卓(林遣都)だと判明したテントのリーダー”ノゴーン・ベキ”(役所広司)の正体と過去が少しずつ明らかになってきました。
そんな乃木がなぜ自衛官となり、別班のメンバーとなったのか。
彼が自ら語った過去と、新たに登場した別班のメンバーについてまとめました。
”F”が生まれた時
サウジアラビアのホテルで、乃木とFは語り合っていました。
父親・卓とノゴーン・ベキが同一人物だと判明した直後のことです。
『君は本当の僕を解っていない』
からかうように喋るFに対して、乃木はそう言いました。
乃木はバルカで飯田という戦場ジャーナリストに拾われて保護され、日本に戻りましたが、養護施設では周囲に馴染めず、虐められて「もう消えてしまおうかと思った」頃に、Fが現れたのです。
そして彼は「うんと頑張って勉強して奨学金を得て、アメリカのミリタリースクールというところに留学しろ」と、乃木に生きる目標を与えたのです。
『生きるんだよ!俺はお前と生きたい!!』
そのために、アメリカに行こう、奨学金を得てミリタリースクールで学べ、とFは乃木に教えました。
すべては、強くなるために。
その示唆を得て、乃木は渡米し、Fの言う通りロンガリー・ミリタリー・ハイスクールに進学し、さらにコロンビア大 学教養学部 経済学科へと進んだのです。
乃木はその時点で将来が安泰なエリート人生を確約されたような経歴を得ましたが、まさに留学中のニューヨークで、人生を大きく変える経験をしました。
乃木にとって『愛する』ということ
2001年9月11日のニューヨーク、『アメリカ同時多発テロ事件』の勃発です。
小学校を視察中「アメリカが攻撃を受けている」耳打ちされるジョージ・W・ブッシュ大統領
2001年9月11日 アメリカ同時多発テロ事件の2機目の飛行機が衝突した時のこと学校の控え室からホワイトハウスと連絡を取る様子 pic.twitter.com/dNBvhJEaW0
— きりうやきめし (@yakimesichannel) August 12, 2023
その日、乃木はニューヨークにいました。
ツインタワーの崩落を目の当たりにして、まるで世界が終わるかのような絶望を味わったのです。
その時、高校時代からの親友であるサム(1話に登場、現在はCIA捜査官)たちが大学を休学して軍に志願、入隊しました。
それは国ではなく『愛する家族』を守るためだとサムは乃木に言ったのです。
家族を失っていた乃木にはその『愛する』という感情がまるですっぽりと抜け落ちているようで、理解ができません。
でも、彼は『愛する』という感情を『知りたかった』のです。
サムが乃木に見せた、まっすぐな眼差しが羨ましかったのだと。
だから「『日本』を『家族』だと思って戦えば、何かが解るかもしれない」と思った、と乃木はFに吐露しました。
それこそが乃木が自衛官を志した最大の理由でした。
乃木は「ベキに会ってみたい」とFに訴えました。
悪魔のような男でも、実の息子になら愛情を注いでくれるかもしれない…それは乃木の人生を賭けた一縷の望みでもありました。
Fはそんな乃木に、薫やジャミーンのことを話しました。
灼熱の砂漠で命がけで薫を救いに行ったこと、そしてジャミーンの手術のために大金を与えたこと。
その「『守りたい』という気持ちこそが『愛』なのではないか」と言われて、乃木は呆然としていました。
まるで、初めてその気持ちに気付いたかのように…。
ノゴーン・ベキ=卓の過去
野崎(阿部寛)が出雲の乃木家で突き止めた乃木卓の過去、それは警視庁の警察官であったという経歴です。
そして乃木家の家紋から、彼がテントの指導者、ノゴーン・ベキであることも。
それを上司である警視庁公安部部長・佐野(坂東彌十郎)に報告した時に、佐野は驚愕の表情を浮かべました。
卓が退職した時点の所属は警視庁警備部第三機動隊となっていましたが、佐野は過去に卓の姿を一度だけ見たことがあり、より高度な情報取り扱いの資格を持っていた佐野が開いたファイルには、卓の本当の経歴が残されていたのです。
乃木卓は野崎の大先輩…『公安部外事第一課』の優秀な警察官でした。
表面上、警察を退職して農業使節団としてバルカに渡った彼は、何某かの密命を受けてバルカに潜入捜査に入り、そこで内乱に巻き込まれたのではないか、というのです。
公安と別班の微妙なパワーバランス
別班は法律を無視して国益のために突き進みます。
テロを未然に防ぐためには拉致・監禁・殺人さえ厭わず。
その方法論は警察・公安とは相容れないものでした。
たとえその別班の『犯罪』の証拠が掴めたとしても、事実上、佐野や野崎らはその事実を告発したり、乃木の行動を止めることは出来ません。
何故ならそれは『国防の最先端を担う彼ら、そのたったひとりでも明るみに出れば、国に不利益が生ずる』ということを誰よりも知っているからです。
乃木もそんな公安の動きを承知の上で、丸菱商事の社員の顔を保って活動を続けています。
公安と別班は表裏一体。
目的がテントの壊滅とテロの阻止であることは確かですが、連携したり共闘することは難しいでしょう。
発覚した別班メンバーについて
6話ラストで、乃木と黒須、櫻井司令以外の別班のメンバーが明らかになりました。
- 経産省の官僚・市川笑三郎さん
- 平山祐介さん
- 珠城りょうさん
- 西山潤さん
三代目市川笑三郎さんは歌舞伎のキャリアは長いものの、映像作品は今回が初出演です。
【本日の笑三郎だより】
『姫虎だよ♪』#VIVANT #日曜劇場 #VIVANTep6 をつけて呟いて!#市川笑三郎 #新水滸伝 #歌舞伎座 #姫虎 と #ヴィヴァンちゃんhttps://t.co/eLQz2btcke pic.twitter.com/WxzGO0fivH— 市川 笑三郎 (@1970Emisaburo) August 19, 2023
平山祐介さんは9年前の「S-最後の警官」でSATの隊員役で日曜劇場に出演し、現在までに大河ドラマなどでインパクトのある役を演じています。
平山祐介テント側ってか現地の人の役だと思ってたけど別班だったんだね #VIVANT
— りりー (@TJCjOywRU7Mi0Vv) August 20, 2023
珠城りょうさんは宝塚歌劇団出身で、月組トップスターとして活躍し、2年前に退団。テレビドラマデビューは日曜劇場「マイファミリー」でした。
明日職場のVIVANT仲間たちに「あの、最後に出てきた別班6人の中に女性が一人いるんですけど、その人が宝塚の元トップさんでわたしの大好きな珠城りょうさんっていう俳優さんなんでよろしくお願いします」って息継ぎもせずひと息で喋る自分の近未来が見える…
— Mirai (@mirai210) August 20, 2023
西山潤さんは子役時代からさまざまな話題作に登場していましたが、6話放送直後にSNSで大いに話題になりました。
彼は本作の福澤克雄監督が二年前に手掛けた「ドラゴン桜2」で超個性的なヤンキー生徒として登場し、阿部寛さんらメインキャストと絡む重要なポジションを演じていたのです。
小橋、東大受かって別班に……😱😱😅#VIVANT#VIVANTep6#西山潤 pic.twitter.com/MW1SZTBWtF
— 充希 (@dishASTRO08) August 20, 2023
勉強から最も遠い所にいた彼らが受験に目覚めて勉強し始めるというその成長過程はサイドストーリーとして印象深いものでしたが、まさか二年で東大を卒業して自衛官になり国防に身を捧げるまでに成長するとは(笑)と…。
いずれのキャラクターもそれぞれにサイドストーリーがありそうで、とても興味深いキャスティングです!
まとめ
冒頭の『これは乃木憂助が自らの運命に挑む大冒険の物語である』というナレーション。
日本の運命が乃木家の親子闘争と一蓮托生というのも凄いですが、乃木自身が図らずもそこに辿り着き、失った何かを取り戻そうとしているところにカタルシスを感じます。
自らテントに飛び込んでいく乃木と別班メンバーたち。
父と息子の対面は果たされるのか、そしてそれがどういうシーンになっているのか。
折り返した後半戦も目が離せません!
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