日曜劇場『下剋上球児』が大詰めに入り、準決勝で南雲(鈴木亮平)率いる越山高校野球部が踏ん張りを見せて勝利を勝ち取りました。
その裏で、校長の丹羽(小泉孝太郎)がとある『重大案件』で奔走していたのです。
まだ決勝を突破していない段階で、丹羽が悩んでいたこと…それは野球部を甲子園に送り込むための『財政問題』です。
これまで甲子園に出場したことがない越山高校には思いもよらなかった事案でしたが。
『このままでは甲子園に行けない』という丹羽。
ただ純粋に勝てば行けると思われた甲子園ですが…一体どれほどの費用が掛かるのか?!
一般的な例からリサーチしてみました!
甲子園出場にどれくらいの費用がかかる?
甲子園に行くには一試合で平均2000万円?!
ちょっとびっくりな数字ですが、これは本当に最低ラインの話です。
実は
- ベンチ入り選手
- マネージャー
- 監督
- 責任教師
合計21名までは主催者(日本高等学校野球連盟、朝日新聞社)が公費として支出していますので、問題はそれ以外の費用です。
東海地方の学校の場合で算出された事例です。
野球部の甲子園出場費用
物品費用___約1100万円
交通費・滞在費___約700万円
物品に関してはユニフォームや道具を新調するか否かで変わってきます。
ベンチ入りする選手の分だけ新しいユニフォームを準備する学校が多いそうです。
交通費・滞在費は学校の地域によって変動します。
大阪・兵庫からどの程度の距離か、また野球の名門校で大所帯の野球部だとさらに膨れ上がります。
これはさらに勝ち進んで試合数が増し、滞在日数が増える分だけ掛け算になっていきます。
応援団費用
交通費・滞在費:約800万円
チアリーダー、応援団の衣装その他物品:約80万円
その他(楽器購入費、甲子園入場料、応援用ビデオ、応援指導費用、横断幕作成など):約1200万円
こちらも、どの程度の人数の応援団が甲子園に送り込むかで変動します。
沖縄や北海道、東北地方などからは飛行機または新幹線になりますが、近県からはバスツアーが多いようです。
関連事業費
ポスター、印刷物:約120万円
通信費、事務費その他:約50万円
出場記念冊子・DVD:約1000万円
出場に付随する記念事業などにもそれなりにお金がかかります。
記念イベント、記念碑など、良い成績が残ったらその分だけ費用がかさみます。
概算で合計1400万円とも言われています。
甲子園出場の費用はだれが負担する?
前述の通り、既定の野球部選手と関係者に関しては主催者団体から公費として必要経費が支出されますが、それ以外に関しては各学校の裁量となるようです。
多くの学校では、甲子園出場が決まると甲子園出場後援会が設立されるそうです。
その構成は…
- 野球部後援会
- 同窓会
- 野球部OB会
- 商工会議所
- 青年会議所
- 農協
- 市体育協会
- 老人クラブ
- 婦人会
…となっており、出場高校を中心に地域を巻き込んで応援体制が構築されます。
そこで、組織と人脈を総動員してボランティアを集め、募金・寄付を頼んでいくことになります。
近年では甲子園に送り込む応援団だけでなく、地元でパブリックビューイングを開催したり、その時に揃いのTシャツや応援グッズを作ったり…と、やりたいことが増えていきます。
そして勝ち進むたびに一試合で2000万円と言われている費用をねん出するために地域のあらゆる組織に募金・寄付を依頼することになるのです。
まとめ
甲子園に出場するためには一試合で2000万円…ちょっとしたマンション一軒分です。
しかし、地域ぐるみでそれを捻出していくことでその後の地域と学校に大きな影響が出てきます。
甲子園出場高校と言うブランドを獲得し、翌年からの志望者数、受験者数の増加が見込まれ、さらにそのレベルの向上が期待できます。
また、甲子園に出場することで、その地元が全国区で紹介されるに至り、地域及びその経済の活性化に大きく貢献する可能性があるのです。
そのために、自然と地域ぐるみで応援し、寄付・募金を集め、ボランティアとしてその活動を支えていくという大きなムーブメントが起こるのです。
そういう意味では、実際に動く大きな金額よりもプライスレスな成果が残るのです。
とはいえ、都道府県大会の決勝から一週間~10日ほどで始まる甲子園大会までの間に体制を整えてお金を集め、送り出すのですから、どれほど大変かということは想像に難くありません。
丹羽校長が地域の大人たちに必死に訴えかけるのも道理です。
野球部員たちが準決勝~決勝と熱闘を繰り広げる裏側でも、こんなに熱いバトルが展開されているのです。
果たして、越山高校野球部が甲子園に出場するために、彼らは一体いくら寄付を集めることができるのでしょうか。
犬塚爺(小日向文世)を始めとする地域の有力者たちの奮闘が期待されます!