バブルの余韻が残っていた1995年、高校生だった自分たちを回顧する…そんなドラマ『95(キュウゴー)』が始まります。
年明けの阪神大震災、そして春の地下鉄サリン事件など、日本が世紀末の予感を孕んで暗澹たる空気に埋もれていた頃。
『明日死ぬかもしれない』という刹那的な想いを抱えていた広重秋久(通称Q/ 髙橋海人)ら高校生たちが、がむしゃらに駆け抜けていた日々をスピード感たっぷりに描いています。
こちらではそんな『95』のあらすじや原作、脚本家さんについてまとめました!
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あらすじ
カラオケ会社で働く40代の広重秋久(Q/髙橋海人)は『日本の音楽産業の三十年』に関する取材を受け、その際に自身の高校生時代について質問され、封じ込めていた”あの日”の記憶がまざまざと蘇ってきました。
それは1995年3月20日に起きた『地下鉄サリン事件』。
それまで漠然と、ぼんやりと生きてきた秋久は、人間の生死という重たい事実に初めて直面し、動揺したのです。
『この世界は、終わってしまうのだろうか…』
そんな気持ちを持て余していた秋久は、特別親しいわけではなかった同級生の鈴木翔太郎(翔/中川大志)に声をかけられ、彼のチームに誘われました。
『ぼんやり生きて死ぬことで、満足なのか?』という翔の問いに燻っていた気持ちを炊きつけられた秋久は、その年、仲間たちとさまざまな体験をすることになるのです。
原作
原作は早見和真さんの小説『95』(2015年)です。
過去に『ひゃくはち(2008年)』『ぼくたちの家族(2014年)』『ポンチョに夜明けの風はらませて(2017年)』が映画化され、『イノセント・デイズ(2018年)』がWOWOWでドラマ化されるなど、これまでにもさまざまな作品世界が構築されてきました。
今回の『95』は1977年生まれの早見さんが高校生として実際に体験した1995年の光景を小説にまとめた物語です。
29年前の今日、地下鉄サリン事件の日でした。
『95』で書いたこの日の描写は、実際に僕が経験したことです。終業式に来られない友人がいて、初めて援助交際する同世代を目撃した日でもありました。
Qちゃんのようにカッコよくではありませんが、怒り狂い、人生に何度もない転換期でした。 pic.twitter.com/apRdnyymMN
— 早見和真 (@joeulittletokyo) March 20, 2024
脚本家は喜安浩平(きやすこうへい)さん
脚本家は喜安浩平(きやすこうへい)さんです。
舞台役者としてナイロン100℃(ないろんひゃくどしー)に所属し、声優、演出家、作家などを経験した後に、2013年の映画『桐島、部活やめるってよ』で本格的な脚本家デビューしています。
喜安さんの脚本作品は、いわゆる”青春時代”の激しくも濃やかな心理描写が高く評価されています。
若々しい。私の薄暗い本がまさかこんなにも若々しく現出するとは。城定監督の演出も楽しみです!#キュウゴー https://t.co/VW47H5SOmX
— 喜安浩平 実行中 (@kkiyasu) March 18, 2024
また、喜安さんは声優として、アニメ作品『蒼穹のファフナー』シリーズの皆城総士、『テニスの王子様』シリーズの海堂薫を演じたことでひろく知られています。
私の待受、よく土井善晴さんに間違えられるんですが、
この待受は俳優であり演出家であり脚本家でもあり、蒼穹のファフナー皆城総士くんの声優さんでもある喜安浩平さんが、もう1人の主人公真壁一騎くんの色紙をGETし微笑んでいる姿です🥰✌️ https://t.co/qDjymSCVTY— ささき🥓かるび▶3.23 # ヤッテミヨ一 (@MGSasaki_) June 19, 2023
まとめ
24歳の髙橋海人さんが高校生と、40代の秋久を演じることになるのかな、と思うとワクワクします。
1995年当時のファッション、音楽、秋久らが触れていたマンガやドラマ、通信手段としてのポケベル、公衆電話などが物語の中で精密に再現されているそうです。
29年前の春…あの頃の閉塞感や終末感を味わった世代には狂おしく、そしておそらく若い世代には異世界を見ているかのような光景がひろがるのではないでしょうか?
21世紀、令和の日本とは違う”混沌と熱狂”の日々を秋久=Qたちの目を通して見る、そんな稀有な体験が出来そうです!